岡山見聞録

岡山訪問の記録です。6月末のこと。

JAGDA(日本グラフィックデザイン協会)総会出席。
シンポジウムの内容、芸術的な交流会オープニングなどプログラムのすべてがすばらしかったです。JAGDA岡山地区のみなさんのあたたかいお気持ちが伝わってきました。
地方のデザインや女性デザイナーの働き方などのお話をあの場でお聞きできたことはとても有意義であったと思います。胸熱でした。

次の日。
集合時間まで少し時間があったため、岡山県立美術館で特別展「北斎と広重 冨嶽三十六景への挑戦 江戸東京博物館コレクションより」を鑑賞。
ゆっくり対峙する時間はなかったものの、「これぞ!」と思える絵と出会えました。歌川広重になる前の徳太郎少年が描いた松原の絵です。絵が好きで絵を生業とすることを決めた広重の「初心」が凝縮されているように思えて、愛しさがこみあげてきました(広重にもはじめの一歩があったのだという当たり前のことへの気づきもありました)。この絵を広重は生涯大切に持っていたそうです。

そうそう。
美術館から岡山駅へ移動する際に利用した路面電車が竹久夢二号(?)でした。旅に出るとなぜかこういう偶然の運の良さが発揮されます。停車場ごとに宵待草が流れ、車内もレトロで木製の椅子具合がよかったです。

その後JAGDA徳島地区のみなさんと倉敷を散策。久しぶりに歩くと素敵なお店がたくさんできていました。一軒一軒が地区の雰囲気と調和したお店づくりをされることで、良きものを残しつつ新しい空気をまとっているのだなと感じました。案内役を買って出てくださったTさんに感謝。

「おみやげに天満屋で桃を買いました」と書きたいなと思い、天満屋で桃を購入。

新幹線のホーム、駅前の百貨店、地下街、路面電車。2日間歩いた岡山はとてもいい町でした。チェロの大きなケースを抱えた女性と美術館の前ですれ違った時、来てよかったと心から思いました。