今のほどてつぺんに在るオリオンは十七の吾留める画鋲(2011年)

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ムスメ2号の高文祭演劇部門が終わって1週間が経ちました。

中1の頃から一緒に頑張ってきたお友達が書いた脚本と、一からつくり上げた舞台装置。模試やテストを挟みながらも何度も通し稽古を行って万全で臨んだ舞台でした。

海辺にある高校の倉庫。軽快な会話の中に閉塞感が滲みます。閉じ込められていた小さな箱を出て大きな海を目指すラストは、波のように心に染み入りました。観ている最中は軽妙なセリフに聞き入っていましたが、今は巧みな組み立てにむむむと唸っているところです。

そんな素敵なお芝居でも。

無念乍ら四国大会に進むことはできず、私→ムスメ1号→ムスメ2号と続いた高校演劇リレーもこれで終了となります。

実は私も四国大会には進めずでした。冒頭の短歌はその時のことを思って詠んだものです。オリオン座を空の高い位置に見つけると、あの頃の透明で冷たい空気と複雑な気持ちを思い出します。全然美化されずヒリヒリしたまま心に存在していますが、「傷」という感じでもありません。

頑張っても報われないことはあるし、むしろそっちのほうが多い。それでも続いていく人生をどう輝かせるかを考えることが大事なのでしょう。既に子どもたちはそのことに気づいているようで、次の目標を見つけて気持ちを切り替えています(すごい)。「恋する凡人(スピッツ)」を頭の中で大きく再生しながら進むしかないのですね、四十九の吾も。

色んな期待にハラハラした2024年はもうすぐ終わり、です。

※写真の短冊は松岡正剛氏が揮毫してくださったものです。