カモミールミルクティ

はちみつがたっぷり入ったそのお茶は、すっかり私を励ましてくれました。
カモミールティにミルクが合うとは。今度家でも試してみよう。

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久しぶりの東京で少し時間がありました。
前々から予定を立てて楽しむような旅ではないものの空き時間をぼんやり過ごすのも違う気がして、足が向いたのはやはり劇場と美術館でした。

●1日目「15 Minutes Made in 本多劇場」観劇

1.ロロ「西瓜橋商店街綱引大会」
2.演劇集団キャラメルボックス「魔術」
3.ZURULABO「ワルツ」
4.ブリーズアーツ「真夜中の屋上で」
5.オイスターズ「またコント」
6.Mrs.fictions「上手も下手もないけれど」

6つの団体がそれぞれ15分ずつの短編作品を上演するオムニバス公演。幕のない(割と)小さな舞台の上でくるくると場面が浮かび上がり、あっという間に引き込まれます。どの作品も15分とは思えない濃密さで、笑ったりびっくりしたりジーンとしたり。そして、ああそうだ、私はちょっぴり哀しいシチュエーションの喜劇が大好きだったのだと思い出させてもらいました。

やはり東京ではお芝居が日常の延長線上に存在しているのだなと実感しています。公演紹介リーフレットにはさんであったたくさんのチラシ(ロビーにもいっぱい!)。次はどれを観ようかとわくわくできる環境に身を置きたい願望も無くはありません。

●2日目「弥生美術館/田村セツコ展 85歳、少女を描き続ける永遠の少女」「竹久夢二美術館/夢二が描いた 心ときめく花と暮らし」

イラストレーター・田村セツコさんの歩みを集めた展示からはあたたかいお人柄があふれていました。圧倒的オトメゴコロ。子どもの時ほしくてたまらなかった「女の子の絵がついたひらひらのエプロン」の前では、やはり同じようにときめいてしまうのでした。
近年の「プリンセスシリーズ」も素晴らしく、最近描けなくなったと思っていた私に「描きたいものを描けばいいのよ」と語りかけてくれている気がしました。描こう、描こう。

細い渡り廊下の先の展示室では竹久夢二の花と植物。やさしいまなざしが感じられる絵に囲まれて、表現とは何かという問いに向き合う不思議な時間となりました。
1階常設展のセノオ楽譜表紙画は図案的にも見ごたえがあり、特に描き文字に憧れてしまいます。なんと次回の企画展が「竹久夢二 描き文字のデザイン ―大正ロマンのハンドレタリング―」だそうなので、もしかしたら近いうちにもう一度訪れてしまうかもしれません。

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2日目、待ち合わせの時間までまだ少し時間があったので、美術館併設の「港や」にて冒頭のカモミールミルクティ(メニュー名は「お葉の夢」)を飲んだ、というわけです。

それだけのために行動してしまうと「果たしてそれだけのためにここに来る意味があったのか」というような無駄な算用をしてしまい純粋に楽しめないこともあります。今回はそうではなかったことが幸いし、思わぬ補給ができました。

何とかして書き残しておきたいと力任せに書いた文章。ただただ、春を切望しています。